知世ちゃんとさくらちゃんみたいな関係の友達と一生添い遂げたい百合もどき実録
こちらの記事を読んで、私の実録百合の話を誰か聞いてくれ、となったので、突発的に書いた。
「相手の笑顔のために身を引く」知世ちゃんと、さくらちゃんの関係になんとも言えない桜色の美しさと儚さを感じたが、私はどうやら知世ちゃんにはなれそうにないのでその気持ちの吐き出しである。
考えさせられた素敵な記事はこちらより。
この記事は、もう何ていうか、同性の『大好きな人』と結婚したい話を赤裸々に書き綴った記事である。
ただし恋愛の話ではない。
全て実録、ノンフィクション百合もどき。本人(仮名:るーちゃん)にも掲載許可を取っている。
前座:異性との結婚の話
大学を卒業して数年経つと、女性には必ずと行っていいほど訪れるイベントがある。
結婚。或いはそれに伴うお見合い。うーん面倒くさい!でも経済力のない男女には結婚は不可欠、……と、親世代は考えるわけで、お見合い話を次々と持ってくる。持ってきてくれる、おそらくは思いやりで。
かくいう私もお見合いのおすすめを受けまくる二十代女だ。
ただ、上手くいかない。何回か親のすすめでお見合いをしたが、どれもなかなか上手くいかずにため息が増える日々だ。きれいに着飾って、年上の男の人の前でにこにこする。愛想笑いを振りまいて、家に帰ってきたときにはぐったり疲れている。
男の人と一緒にいるのって、とっても緊張してしまう。女子校、女子大と女子しかいない空間で育ったせいで、異性というだけで異星人なのだ。ダジャレじゃなくて。別の星の生き物みたいに思えてしまう、不思議だ。同じ人間なのに。
家で飼ってる猫との方がよほど気持ちが通じ合うように思える。
私が、きれいな赤だなあと思うものを、この人も同じように見てるんだろうか?と不安になる。そういうことってないだろうか。
自分が楽しくても、相手は楽しくないだとか。心が見えない、感じ取れないな、と感じる。私は女の子ばかりの空間で育ったので、女子の気持ちには比較的敏感で手にとるように分かったりするのに、男の人はまるで分からない。
こんな分からない生き物と、一緒に何十年も暮らしていけるんだろうか?と思ったりする。
母は、仕事は忍耐だし、結婚も忍耐と妥協だと言った。……ではどこで息抜きをすればいいんだろう?長い人生の中、これからずっと息継ぎもなしに水泳をするようなものになるんだろうか?
家では呼吸をしたい、できればあなたと呼吸がしたい
仕事が我慢なら、せめて家では深呼吸をしていたい。息を吸って、吐いて、お互いにぐちを言い合ってすっきりして、一緒にご飯を食べたらにこにこできるような。そんな相手欲し……いやうん……
はい。
私にはそう思える相手がいる。います!
花依「わたしさ、るーちゃんといるのが幸せだからるーちゃんと結婚したい」
るーちゃん「私も君と結婚したいよ普通に。一緒に住もうよ」
花依「ご飯作りながらライターやるね」
るーちゃん「じゃあ私仕事行ってくるからご飯よろしくね!」
普通の会話である。でも別に付き合ってないんだなあこれが。
多分彼女が異性だったら即入籍していたし、一瞬で結婚していたと思う。
なんでかっていうと、一緒にいて何の気負いもなく楽しいから。
そばにいるとすごく安心して安らげるから。
結婚するに足る理由じゃないですか???
ちょっと説明をしよう。彼女は私の、少し特殊な友人である。
私達の関係は特殊だ。
付き合いは六年ほど、私が学生で、彼女が社会人のときに出会っている。最初は好きなゲームの話で意気投合して、仲良くなった。
同じゲームを遊んでいて、出会って、仲良くなって、次第に通話を毎晩するようになって……この辺りで何かちょっとレールがずれた気がする。
なんとなくほぼ毎晩通話をした。気がついたら数年継続していた。毎晩通話。
ほぼ毎晩。
毎晩だぞ????
でもそれがほぼ重荷じゃない。
毎晩話していても会話のネタが尽きないのだ。案外口下手な私なのに。彼女もコミュ強というわけでは全然ないけれど、なんとなくテンポが合う。
今でもお互いがなにもない日は必ず終日ディスコ*1を繋いで話しているし、だらだら喋りながらオンラインゲームをしている。一緒にアマプラ*2でアニメや映画を見て、リアルタイムで感想を共有しながら互いに趣味のMMDをやったり、レジンをやったりしている。
嫌なことがあった日は彼女に甘えて、話を聞いてもらう。彼女がつらそうなときには話を聞いてあげて、うんうんと共感する。お互いの好きな本や、映画をおすすめしあって、感想を言ったり言われたりする。
趣味がずれることが殆どない。
本当に、彼女が男なら一瞬で結婚していたと思うんだ。
ただ、これが重要なのだけれど。
恋愛感情らしきものはあまりない。うん。ここが大事なのだ。
相手に独占欲はあるが、性欲は覚えたことがない
これ。るーちゃんが他の人と結婚したらどうしよう、とたまに思う。
いや、寧ろ結婚しちゃったらその先は寂しすぎて考えないようにしている。気分はぷるぷる震えるうさぎである。
今は彼女は私が一番好きだよーと明言してくれている。女友達の「一番好き」を信じるなよって?いやまあそうなんだけども。
でも、彼女と私の場合はちょっと違うのだ。
お互いに「なんか友情から私達ちょっとはみでてるよね」と言い合った仲である。違うんだ。
るーちゃんも、私にしょっちゅうお見合い話が来ているのを聞いて、たまに何となくふわっと不安そうにしている。ように思う。というか、独占欲はあると明言していたので多分そうだろう。たぶん。
だが、多分お互いに性欲はない。肉欲はない。相手とセックスはしたいとは思わないということだ。そこが多分ちょっと、一般的に布教されている百合とは違うところだと思う。
大事にしたいし、寂しいときにはくっつきたいし、こんなに趣味が合う人は他にいないんじゃないかと思うし、日本に友達婚とかいう婚姻と同等の価値がある結婚制度があったら絶対結婚している。六年そばにいて、これほど大事な人は他にいないんじゃないかとは思う。
でも、恋愛じゃない。不可思議な女同士の関係だなあと、今日もまた思う。
これはラブレターかと思ったけど、多分ディアレターである
これを読んで、「それは百合(恋愛的な意味で)だよ」と言う人もいるだろう。
「いや、それはただ仲のいい親友の関係を錯覚してるだけ」と言う人もいるだろう。
でも、多分結論的に、どっちでもないのだ。
恋愛でもないし、友情にもなりきらない。ごく普通の友達は相手にここまで強い独占欲を持たないんじゃないかと思う。大事な人が取られてさびしいな、とは思っても、「相手が結婚しちゃったらどうしよう(真っ暗どん底に落ちていく感覚)」とかにはならないんじゃないかと思う。
ただ、恋愛というものはイコールかなりの確率で性欲に結びつくものであって、恋愛だとか、百合だとか言われてもちょっと違うような気もする。
最初、るーちゃんに私達の記事を書くとき、「きっとこれはラブレターになるよ」と私は言った。
でも実際は違った。
これって、多分ディアレターである。親愛なるあなたへの気持ちを書いた記事。
外国だとMyDearと表すべきなんだろう。
ちなみに、私が『ラブレターみたいな記事書くよ』と言ったとき、るーちゃんはこう言っていた。
「わたしも読みたいわ」
普通に読みたいと言われて当たり前のように流したが、女友達でこういうこと言って言われて平気な時点でちょっとあれなような気がしている。
私の親愛なる大事な人へ、どうやら私は今日もあなたが好きである。
これが恋愛なのか、友情なのか、なんなのか、名前を付けなくてもいいような気はしている。
私があなたのことが大好きであることに、代わりはないのだから。
*1:Discord。無料の通話アプリ
*2:Amazonプライムビデオの略。色々とお得なサービス